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ボルベール〜帰郷

ボルベール (ランダムハウス講談社 ア 3-1) ボルベール (ランダムハウス講談社 ア 3-1)
ペドロ・アルモドバル (2007/06/02)
ランダムハウス講談社

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評価 5(飛びぬけ)

ああ・・なんていい映画なんだろう。
やっぱりこの監督大好きだ。
オールアバウトマイマザーも好きだし、トーク・トゥ・ハーも大好きだし、ペドロ・アルモドバル監督についていこう!と改めて思った。
見る前に、家族物?とかペネロペ?好きじゃないし・・・とか思った事を悪かったとお詫び行脚したいくらいだ。

まずペネロペがものすごくいい。
この人、ずるい女、小ざかしい女と言う感じが私には付きまとっていたのに(すみません、トム・クルーズとのもろもろのイメージが大きい)この映画で今までのどれよりも素晴らしいと思った。
疲れた掃除婦にもなれるし(またこれが似合ってる)、母親にもなれるし、また色っぽい酒場の女にもなれるし。何でも結局できるんじゃないか。

話は、とても奇妙な話だ。
ある両親を火事でなくした家族の物語だ。
二人の姉妹はそれぞれ生活に追われている。
一人は子供がいて父親がぐうたら。
一人は離婚して家で美容師をしている。
この人たちがお墓参りの帰りに病弱な叔母の元を訪れるところから話は始まる。
最初の方で(これは推理物?)と思ったりする。
それでその調子で見ていくと、途中で(これSF?)と思ったりする。
この思ったりする、部分が、技だと言うのに気づくのがかなり後になってからだ。
全員が全員、秘密を抱えているのだが、その秘密が徐々に解き明かされ、そしてラストに巨大な秘密が解き明かされる時、観客は戦慄する・・・・

脚本が大変緻密に出来ているので、どの人間を見ていても面白いし、その世界に入っていける。
決して明るい話ではないのに、明るいように感じるのは、最初の推理部分が実にこちらに納得できる推理部分であること、そして途中のSF部分も納得できるSF部分であることだろう。
あとは、レストランの宴会部分がきれいで楽しかった。ペネロペの歌の部分も圧巻だ。

最初の風のお墓参りのところの、風、がとても重要なヒトコマだというのに最後になって気づく。
深い余韻を残してくれる映画であった。

以下ネタバレ

・・・・・・・・・・・・・

途中で父が手を出してきそうになってそれを殺す娘。
これとペネロペの過去がリンクしている。
またペネロペの母が最初ずうっと幽霊だと思っていたので、途中で本当に死んだのは母ではなく、父の愛人だったと言うのがわかるところが面白かった。伏線が最初の方にあることに最後に気づいた(エアロバイクとかドーナツ作りとか近所の幽霊の噂とか)
この母親が隠れるところがユーモアたっぷりだ。あと、ペネロペが唄うのを陰から見る姿にもぐっときた。